ADMISSION INFO.投稿記事

話題の祝辞に思う

新年度が始まりました。

コラムには、新元号にちなんだことを書こうと思いつつも、あまりにも畏れ多く躊躇している間に、4月も第3週目になってしまいました。ということで新元号「令和」の話題も、世の中は一段落していると勝手に解釈しまして、話題の祝辞について思うところを少しだけ。

 

さてさて、ここでいう祝辞とは、先般、4月12日に行われた東京大学学部入学式での上野千鶴子さんの祝辞のことです(東大のオフィシャルページに全文が掲載されています)。

私がこの祝辞を知ったのは、当日の夜中のことでした。ネットに取り上げられていたので、深く考えずに全文を拝見しましたが、何度か読み返すうちに後半部分の学生への問いかけがスーッと入ってきたのでした。翌日には様々な意見(賛否両論)があることを知りましたが、個人的には社会生活を送るうえで頷けるところがあり、共感したのでしょう。後半の2箇所が、週末ずっと頭から離れませんでした。

 

1つ目は、頑張ったら報われると思えるのは、自身の努力の成果ではなく、環境のおかげだったことの件(くだり)。原文では、丁寧にわかりやすく書かれていますので、ぜひご一読を。

私自身、立場上、職場を代表して表に出ますが、それは職員各人が質の高い支援を行って、社会から認知されていることの裏付けがあること。つまり職員という資源を持つことができていることなのです。

 

もう一つは、社会が正解のない問いに満ちた世界だという件です。対人支援の難しさは、ここにあると思います。正解のないというと少し語弊があるので言い換えると、対人支援の正解は一つではない。つまり様々な可能性をいかにアセスメントできるか否かだと常に感じます。そんな日常に思うところを簡潔に言い表しているこの祝辞に魅かれたのでした。

 

これらを考え合わせると、自分が勝ち抜くためだけに頑張ることが、ただの独りよがりであることを常に意識していなければならないと強く感じるのです。そんなことを考えながら、宮崎シーガイアユニファイドジョギング大会を走り、年代別第2位入賞し頑張りが報われた新緑の週末でした。